インテリジェンスフィールド合同会社

ポールR.クルーグマン

10月31日 Hitach innovation forum 2014 に参加してきました。

基調講演でノーベル経済学賞を受賞された プリンストン大学 ポールR.クーグルマン 教授の講演を聴いてきました。90年代の日本の経済財政政策に批判的(元FRB議長バーナンキらとともに)であったクルーグマンではあるが、最近のアベノミクスに対する評価は当時とは異なっている。

クルーグマンによると、世界がHappy Endingを迎えるためには、ある種のイノベーションが必要だと言う。90年代の経済状態が停滞し続けた日本の状態(日本現象)は「ジャパニフィケーション」と呼ばれているらしい。そして今、長きにわたり停滞を続けた日本経済は、脱却しようと努力している。デフレ脱却をはかり経済力を取り戻そうと努力している。そしてアメリカやヨーロッパなど世界経済は、今、ジャパニフィケーションの状態にあると言われている。日本の現象は世界に先駆けて発生し、日本の対策、政策がみなされているようだ。

経済発展が期待された新興国(BRISC等)の経済が予想以上に伸び悩んでいる。新興国経済はあまり強くなかったと分析されている。中国の経済は内需が弱く、貿易黒字による投資が経済を引っ張ってきたが、ここ最近は貿易黒字自体が低下している。GDPの48%~49%あまりの額が海外をはじめとする投資にまわされているが、それを維持するには実質経済成長率が10%必要だと言われている。中国はこれまで内陸部や中国全土から人を中央に集めて行ってきた。今必要なのは、リストラであるがそれがほとんど実施できていない。80年代日本の状態に似ている。クルーグマンによると、「世界経済レベルで判断すると中国と欧州には大きな懸念が存在する」らしい。

セキュラースダクフレーションと言われる(長期的なインフレと低成長の同時発生)状態が起きつつあるが、実は「経済自体は停滞を好む」という説も言われている。この難局を打開するには、政策サイドのイノベーションが必要とクルーグマンは言う。日本においても、少なくとも2007年まではイノベーションは続いていなかったと判断されている。アベノミクスはチェレンジしている。イノベーションは従来の考え方から脱却しないと生まれない。過去の例や理論の枠を超えた、直感や感情を持って決定しているように思える。これからは、実質的なイノベーションが生まれないと成功には結びつかないと予想している。

イノベーションの鍵は過去の囚われや、視野狭錯を排除することが重要なポイントのような気がする。日本が停滞する経済を打開する世界の先駆けとして成果を出してほしい。