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組織の「ありたい姿」の実現を支援するインテリジェンスフィールド合同会社代表・福田祥司のブログです。

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Tグループ 非構成的グループの体験

2016/03/18

組織開発の歴史をさかのぼるとクルト・レビンにたどり着くと言われています。
クルト・レビンは、1943年MIT(マサチューセッツ工科大学)グループダイナミックス研究センターの創設に関わり、人間関係トレーニングの原点の「Tグループ」の開発を同僚と共に行い、今日の体験学習の基礎を作り上げた人物であるといわれています。

メンバーは決まっているが、何を話せばいいか、どのようなテーマで話をするのか、誰がどのように物事を決めたりすればよいかなど、一切決まっていない状況からスタートするグループ体験を『非構成的』グループ体験といいます。組織開発に携わる者として、この非構成の世界で、人はどのように関係性を創り、グループがチームに、組織に変化していくのかを探究し実感する目的で、山梨県・清里のKeep協会清泉寮で行われた南山大学の「人間関係トレーニング・Tグループ」に参加してきました。

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メンバーとセッションのスケジュールが決められているだけで、セッションの内容はメンバーにゆだねられており、ひたすらそこで起きることに向き合う6日間でした。各メンバーとグループには様々なプロセスが起こり、相互に影響し合いながら、行きたい方向に向かい、また戻るアメーバのような動きを見せながらも関係性は徐々に構築されていきました。自分も含めて、日常では目標や指示、規則、制約条件の中で生きており、何もない中での発生するプロセスは非常に深淵で、時には感情に支配され予期せぬ言動につながることもありました。しかし、人が本来持つ「人間の尊厳」への意識が、大きな流れとしてグループにバランスを生み出し、ゲシュタルト組織開発の概念の一つでもある「Use of Self(自己の気づきや価値観を活かす)」を活用することで関係性が生まれていきました。

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一見、組織全体の行動が上手くいったと思われることでも、個々のプロセスを紐解いてみると、様々なこと(思い過ごし、勘違い)が存在していたことが判明し、成果達成には必ずしもお互いのプロセスへの気づきや、適切な行動がとられていたわけではないことが解りました。ラボラトリー方式による学びは、コンテント重視の意識の限界をまざまざと感じさせてくれました。

構成的な組織開発手法「チームコーチング」を実施するうえで、180度逆の非構成な世界の体験は大きな学びになり、今後にとても役立つと感じました。6日間を終え、「Tグループ」の素晴らしさと、人間が持つ繊細で緻密な思考や意識の持ち方への驚きとともに、改めて人間の尊厳を深く感じた非常に充実した時間でした。

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トレーナーの南山大学の中村先生、楠本先生、スタッフの石川さん、山梨県立大学の文殊先生、大阪経済大学の山岸先生には大変お世話になりました。豊かで充実した時間を過ごせたことに御礼申し上げます。